「かわす」ことは高度なコミュニケーションスキル
マウンティングしてくるような困った人と接するとき、モヤモヤした気持ちになってしまうことはありませんか?
たとえば、
「自慢話の長い人にいつも疲れてしまう…」
「だらだらとつづくLINEをうまく終わらせられない…」
「質問されたから答えていたのに、いつの間にかほかの人に話を横取りされている…」
困った人と関わるとき、メディアで紹介されているような
「こんなシーンではこう言う!」
「こんな人はこんな心理だからスルーする!」
といった対処法は、読むとスッキリするかもしれません。
でも、実際のところ
「わかるんだけれど…できない…」
「かわしたいけれど、結局流されてしまう…」
という人や、
「逆に強く出てしまう」
「我慢に我慢を重ねた結果、関係を切ってしまい、友達がどんどん減っていく」
「不器用な自分を責めてしまう。こんな不器用さが自分でもイヤ」
という人もいるのではないでしょうか。
日本では、「調和を大切にして、空気を読む」という気づかいの文化や、忖度する文化が脈々と受け継がれてきました。
その一方で、「確固たる自分をもって、言うべきことは表現する」という考えもあり、今では、しっかりと意思表示をするコミュニケーションも求められています。
この独特の矛盾をかかえながら、私たちは日々生きているのです。
困った人を「かわす」ことは、ストレスがたまります。
じつは、とても高度なコミュニケーションスキルだからです。
実際に身につけるのは、はっきり言うことよりも難しいかもしれません。
ですから、あなたがうまくかわせないと悩んでいるのなら、それも当然のこと。
相手をうまくかわせるようになれば、人間関係がラクになり、コミュニケーションスキルにも自信がついてきます。
困った相手に巻き込まれるかどうかは自分で選べる
マウンティングする人というのは、どの世界にも存在するものです。
上から目線の言動やマウンティングは受け流し、適当にあしらうことをおすすめします。
また、相手からの反感を買わないようにするには、「同じ土俵に立たない」ということが鉄則です。
ところが、現実はわかっていてもそう簡単にはいかないでしょう。
マウンティングする人は、勝手に人を格付けしています。
そして、他人を自分より下に見て、格付けの世界に人を巻き込んでいくのです。
巻き込まれた人は、この状態から出るに出られないうえに、巻き込まれていることすら忘れていることも…。
人は、基本的に、自分と他人を比較して生きています。
比較すること自体は悪いことではなく、意味のあることです。
ところが、マウンティング問題においては、マウンティングする人の世界に、いつの間にか巻き込まれていくだけでなく、巻き込まれた状態を自然なことだと思ってしまうという負の影響があります。
本来、巻き込まれるか、巻き込まれないかは、あなた自身で選べることです。
マウンティングする人の世界で生きる必要はありません。
あなたの世界に戻っていきましょう。
マウンティングから身を守る3つのポイント
マウンティングの世界に巻き込もうとする人の心理背景には、ねたみ、自信のなさ、不安で仕方がない…といったことがあります。
そして、負の気持ちはどんどんエスカレートしていくので、言動に矛盾が出てきます。
こういった困った相手には、次の3つのポイントで対処するのが得策です。
1 スルー(自分を守る)
2 かわす(人間関係を守りつつ思いを表現する)
3 言い返す(自分の気持ちを相手に伝える)
段階的な流れで実践し、自分を癒して復活させていきましょう。
実際の会話例をあげて解説します。
〈例〉
自分
「はじめてハワイに行ってきたの! ワイキキビーチはきれいだし、食べ物もおいしいし、
やっぱり海外に行くならハワイだね!」
友人A
「私は5回以上行っているかな。ワイキキはありきたりだからいつも穴場のビーチに行っ
ているの。ホテルは◯◯がおすすめで、ディナーに◯◯は外せないね! えっ、知らない
の? それはもったいない…」
自分 .................................
〈対応方法とフレーズ〉
1.スルー
別の話題を提供するか、頭を切り替える。
別の話に切り替えるか、そのまま相手の自慢話を聞きながら、「またテレビと雑誌の受け売りか…。あの雑誌かな?」と頭のなかで雑誌当てゲームをする。
2.かわす
相手からの投げかけには答えず、「また行きたいなぁ」「休養できたから、これでまた、元気に仕事に取り組めるなぁ」と相手がこれ以上マウンティングできない話で締める。
3.言い返す
情報を得るつもりでインタビューする。
「ワイキキのあのお店なんだけど、何か買ったものはある?」などと、知らないかもしれない新しくオープンした店の情報を差し出すのも◎。
最初からうまくかわすことは難しいので、基本的にはスルーして、ときどきかわすことからはじめましょう。
状況によって発言できそうなときには、自分の意見を伝えてみるのもいいですね。
自分には関係ないと思っていても、勝手に足を引っ張られるのがマウンティングをする人の世界です。
3つのポイントを意識して、自分を守っていきましょう。
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